デクスター・ブラウン"Famous Faces, Famous Cars"展|モータリング・アートの第一人者の到達点

デクスター・ブラウン



ブラウンは肖像画家として9年間を過ごした。そのうち数年間は、ロンドンのデューク・オブ・ヨーク劇場のアーティスト・イン・レジデンス・プログラムに招聘され、ビリー・コノリーやベリル・リードなど様々な俳優の肖像画を描いた。「俳優の肖像画については、仕事に関係なく私が普段見た映画の中で、なにかしらの印象が残った人物だけを描いています。たとえば、『熱砂の日』のグレタ・スカッキや、『ソルト』のアンジェリーナ・ジョリー。そしてマリリン・モンロー。彼女の顔は、何度描いても飽きることはありません」




ブガッティのイメージを合成したこの絵は、彼にしてはめずらしくブガッティの創業者の肖像画が中心となっている。フランススポーツカーメーカーのトップとして、エットーレ・ブガッティが見せる険しい顔をよく知っている人であれば、若き日の彼がレシングゴーグルの下に見せるリラックスした表情に驚くだろう「。私はどうしても若き日のエットーレを描きたかったのです」ここに描かれているマシンはタイプ35Bで、そのアロイ製のフロントホイールはシルバを使ってぼかし、動きを表現している。ヘッドはブレシアのものだ「。ホイールもヘッドも少し抽象的に描かれていますが、このシェイプをとても気にいっているのです」




ブラウンが参考資料を見ずにフリーハンドで描くことのできる車が何台かあるという。このフェラーリ512もその1台だ。「車の正確な姿を見たいという人がいることも知っています。でも、私にとっては動きが重要であり、写真のような絵を描きたいわけではありません。ディテールをそれとなく表現することに、より楽しさを感じるのです。512のアグレッシブで抽象的なペイントワークの中に、この車の本質がにじみ出ている。これが私のイメージする512です」



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編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.)Translation: Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.) Words:Giles Chapman

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