サハラ砂漠をフェラーリ・テスタロッサで走ってみてわかった3つの注意点

フェラーリがサハラ砂漠を行く



ドライブ・イン・モロッコ
「フェリーを選び、現金を用意すること。速度取り締まりに注意」

言うまでもなくモロッコは英国から遠い。私たちは時間を短縮するためにポーツマスからサンタンデルまでの夜行フェリーを利用した。スペインからモロッコへと渡るルートを選ぶ際には注意しなければならない。私たちはそこで迷路のような"タンジェ・シティ"へ上陸するというミスを犯した。実はスペインのアルヘシラスともっと東の"ポート・タンジェ・メダタレニ"を結ぶフェリーがベストで、そこからは直接A4ハイウェイにつながっている。フェリーの中でパスポートチェックと税関手続きを受ける。登録書類と保険などを細かく検査されるので、一時間ぐらいは見ておいたほうがいい。もうひとつ、十分な額の現地通貨(ディルハム)を両替しておく必要がある。モロッコでは高速道路の料金、ガスステーション、ホテルなどほぼすべての場所で現金で支払わなければならないが、ATMを見つけるのは簡単ではないし、もちろん英国では両替できない。

モロッコは地球上のどこよりもスピードトラップが多い国かもしれない。制限速度厳守である。ああ、言うまでもないが警官もキャッシュで罰金を要求する。もし払えなければ車が押収される危険がある。最後に夜間の運転は避けるべきだ。"スポーツカー"はモロッコでは非常に珍しく、交換するタイヤを見つけることさえまず不可能だ。また路上での故障の際に駆けつけてくれる組織的なロードサービスの類も存在しないので、ちょっとした不具合でも致命的トラブルとなる。では良い旅を。

テスタロッサを所有する
「ハリーのガレージにはカウンタックと911ターボも並んでいる。ベストはどれか?」

私はテスタロッサを2014年の夏に手に入れた。1987年ランボルギーニ・カウンタックQVと1989年ポルシェ911ターボとともに、夢だった1980年代"スーパーカートリオ"を完成させるためである。3台はそれぞれ、これ以上考えられないほど互いに異なっている。911は毎日乗れるスーパーカーだ。高い実用性に加えて、必要な時には兵器のような 爆発的な加速力を発揮する。カウンタックは典型的なスーパーカーで、短時間楽しむには最高の車だ。テスタロッサは両極端に位置するこの二台の中間と言えるだろう。
テスタロッサは3台の中でもっともモダンな車だ燃料噴射システムのおかげでエンジンは神経質ではないし、エアコンもきちんと効く。また視界は良好で、ラゲージスペースも実はシート背後の棚のおかげで想像以上に広い。実際、陶器の洗面台やサラダボウル、化石が散りばめられたディナープレートなどのモロッコ土産を収めることができた。

1987年式テスタロッサを選んだのは後期型の4本ボルトよりもセンターロックのほうが美しく、触媒なしのエグゾーストサウンドが素晴らしいためだ。モロッコへの長旅を終えて、テスタロッサは私の予想をはるかに超えたグランドツアラーであることが分かった。3台の中で最も驚くべき能力(カウンタックや911ターボは70年代に生まれた)。を秘めたスーパーカーである。



1987 フェラーリ・テスタロッサ
エンジン形式:4943cc、水平対向12気筒、DOHC、ボッシュKジェトロニック燃料噴射
最高出力:390bhp/6300rpm 最大トルク:354lb-ft/4500rpm変速機:5段MT、後輪駆動
ステアリング:ラック・ピニオン
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン、 コイルスプリング、ダンパー、スタビライザー
ブレーキ:4輪ディスク 車両重量:1505kg 最高速:178mph(286km/h)  060mph加速:5.3秒

編集翻訳:高平 高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Harry Metcalfe Photography:Justin Leighton

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