世界最大の車も登場│一度は行きたいパリの蚕の市 レトロモビル2019

Photography:Akio Lorenzo OYA, Kazuhiro NANYO,Tomonari SAKURAI,Octane Japan



1976 年の第1回レトロモビル開催時から運営に関わっており、現在はコンサルタントとしてサポート役を務めるフランソワ・メルシオン氏に、レトロモビルの魅力を聞いた。



「レトロモビルを始めたばかりの頃は会場にカーペット
もなく、フリーマーケットのような雰囲気で、広いスペースにただ自動車愛好家が集まっていただけでした。その当時は1950 年代の自動車などは感覚的に普通の中古車であり、クラシックカーといえばほぼ戦前の自動車を意味していました。だから必然的に本当に古い車ばかりになる。そんな中、初めから大事にしているのはテーマの設定です。優れた自動車文化を次世代に繋げていくことこそ、レトロモビルが担っている使命であり、現在もテーマをどのように決定するかが、とても大きな意味をもっています。

しばらくは開催期間は10日間と、とても長いものでした。その頃の来場者のピークは7 万5000 人でしたが、出展者への負担をかんがみて一気に5日間に短縮してみたところ、来場者数が半分になることはなく、それでも7 万人ものお客様が訪れてくれたのです。そのタイミングから一気に、イベント全体の密度が増していったように記憶しています。

最近は高額車両の出品や希少車のオークションが目立ち、ややもするとレトロモビルは富裕層のみを大切にしているようなイメージがあるかもしれませんが、私たちはそんなことは微塵たりとも考えていません。"2万5000ユーロ以下であなたもクラシックカーファン"のコーナーをぜひ観てください。あのヤングタイマーを観に来てくれる多くのファンこそが、このイベントの奥深さを証明してくれているのです。

私たちは自動車文化を愛する多くの人たちを歓迎します。クラシックカーの人気は一過性のものでないのも事実ですが、知識が増すほどに、もっと奥深さがあることに気付き、しかも楽しくなってくるという不思議な魅力があるのです」

クラシックカーの世界というのは、人々が想像できる以上に未知であり、学びの尽きない、永遠に深くなっていくものなのであろう。

文:大矢アキオ Words:Akio Lorenzo OYA

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