「まともな考え方ではとてもやっていけない」│ミラノが生んだ芸術 ザガートが選ぶトップ10

Portrait:Mark Dixon



1957年フェラーリ250GTザガート



ザガートは様々なフェラーリのボディを作ってきたが、私の意見ではこれがベストだと思う。力強くエレガントで、特徴的なディテールも数多いが、基本形はシンプルだということに注目してほしい。父のエリオとファビオ・ルイジ・ラーピが協力して作り上げた250GTZはすべてのフェラーリの中でも最も美しい傑作だと思う。5台製作された車はそれぞれ異なるディテールを持つが、そのすべてが生き残っているはずだ。


1964年ランチア・フラミニア・スーペルスポルト・ザガート 



フラミニア・スポルトをベースにエルコーレ・スパーダがまったく別のキャラクターを与えたこの車は私のお気に入りの一台だ。よりエアロダイナミックなだけでなく、魅力も増している。1964年のトリノ・ショーに出品された最初の一台はマルチェロ・マストロヤンニが買った。彼はダーク・ブルーの色が気に入らず、ダークブラウンに塗り直してくれと依頼してきたそうだ。実にエレガントで洗練されており、当時としては非常にモダーンだった。


1937年ランチア・アプリリア・スポルト・ザガート


1937年製とは信じられないほど、まったく古臭くない。この車は伝統的なザガートの特徴のすべてを表している。一切の装飾がない流線型のボディは時代に先んじていた。オリジナルは大戦で失われてしまったが、それではあまりに惜しいので完璧に再現した"サンクションⅡ"(リプロダクション)を製作した。


1960年フィアット・アバルト1000



ドイツ人がVWビートルを生み、それを使ってポルシェ356を作ったように、イタリア人はチンクェチェントのシャシーを使ってアバルトを生み出した。非常に巧妙なパッケージングのおかげで、乗員はもっと大きな車に乗っているように感じるはずだ。何よりもエアロダイナミックであり、可愛らしいスタイルのこの車は、1960年にイタリアの工業デザイン界で最も権威ある「コンパッソ・ドーロ」に輝いている。


1957年ACエース・ザガート



これこそ一番のお気に入りと言っていい。何とかして手に入れたいと思っている。ザガート・フェラーリや8Vにちょっと似ているが、独自の個性を持っている。とりわけ低いノーズと断ち落されたテールが気に入っている。これはジェントルマンドライバーのための典型的なワンオフモデルであり、私も2009年のペブルビーチに姿を見せるまで写真でしか見たことがなかった。間近で見ても、それまで思っていた通りの素晴らしさだった。

編集翻訳:高平 高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Richard Heseltine 

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