真冬のパリに集まった100年のシトロエンたちをおさらい

Photography&Words:Tomonari SAKURAI



シトロエン100周年という事もあり会場のあちこちでシトロエンの車両を見かけた。その中でも一際目を引くブースがシトロエン専門にレストアをしているアトリエCITROCOLLECTION。そこはDSで埋め尽くされているように見えた。しかし見慣れたDSとは何かが違う。なんと1930年代からコーチビルダーとして活躍し、1958 年からDSのスペシャルモデルを手がけたシャプロンのモデルが集められたのだ。オンリー・シャプロンは1958年に初めてDSのカブリオレを制作。単にトップを切り取っただけのモノではなく、リアにかけて大きくスタイルを変更した。これが評判となり、その後も数々のモデルを手がけることになったのだ。シトロエンの特にDSのファンにとってこのシャプロンは憧れの存在であり、DSの歴史を語るのに外せないものなのだ。


 
レトロモビルはクラブミーティング、そしてオートジャンブルのようなイベントとして始まった。今では多くのラグジュアリーカーなどがきらびやかに展示されているが、その一角には蚤の市の雰囲気が残っている。そこにはシトロエンのお宝が紛れているのだ。実車にミニチュアに、レトロモビルは発見する楽しみがいっぱいである。 

レトロモビルと時を同じくして、シャンゼリゼ通りに1900年のパリ万博で建てられたグラン・パレでは、ボナムスのオークションが開かれた。毎年貴重な車両がオークションにかけられるため、レトロモビルと併せて世界中のコレクターがパリに集まるのだ。シトロエン100周年の今年は、スイスのアドリアン・フォン・レルバーから9台のシトロエンコレクションが登場。30台ほどしか製造されなかったツインエンジンをもつ2CV サハラ4X4をはじめとする5台の2CVのほか、オリジナルコンディションを保つDSやAMI6などが並べられた。



 
この9台以外にもシトロエンは出品されていた。2.7リッター マセラティエンジンを積んだSM、めずらしいソフトトップのカブリオレ、深紅のトラクシオンTYPE 7C カブリオレ。オートモビリア(車に関連するアンティーク品)に目を向ければ、戦前のシトロエンをモチーフとしたカーマスコットなどもあり、100年の歴史の重さを感じることが出来る2月のパリだった。

写真、文:櫻井朋成 Photography&Words:Tomonari SAKURA

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