美しい街並みとワイン、食...シトロエンDSで走るフランス・アルザス地方への旅

Photography:Martyn Goddard



中に足を踏み入れると、照明が1930年ブガッティT41ロワイヤル・エスデール・ロードスターへと導いてくれる。この車は、博物館が所蔵する3台のタイプ41ロワイヤルのうちの1台で、400台もの同館展示車の最初の車である。

自動車の歴史を彩る傑作モデルは、広さ1万7000平方メートルにも及ぶかつての紡績工場の建物に収められている。各車はパリのアレクサンドル3世橋と同じものだという、800本の街灯に囲まれるように展示されている。1895年から1960年代までの時代の車は1台1台が美しく光り輝き、それぞれに概要を解説するボードが添えられているが、とにかく見るべきものが多くて呆然とするほどだ。

強いてコレクションのハイライトを挙げるとすれば、もちろん有名なブガッティ・コレクションであり、これはは外せない。それ以外にも喜劇王チャップリンのロールス・ロイス・シルバーゴースト、1950年代のグランプリ・グリッドを再現したディスプレイなどがある。さらに、訪れたのは週末だったので、館外のアウトドロームで自動車の歴史をまとめた45分のショーも催されていた。その説明はフランス語だったのですべて理解できたわけではないが、それでも大変面白いものだった。


ミュールーズにあるフランス国立自動車博物館、シュルンプ・コレクションは、400台以上のコレクション、とりわけ123台を数えるブガッティで世界的に有名だ


サテライトナビゲーションの助けを借りてミュールーズの狭い通りを抜け、ホテル・ミュゼ・ガールに到着した。このこじんまりしたホテルはまさに伝統的なフランスのホテルで、インターネットやホテル・チェーンが当たり前になる前は、このような二つ星ホテルを自分の古びたミシュラン・ガイドを見ながら探したものである。ひとつだけ残念なのは、ここでフランスが誇るグランドツアラーで巡るワイン街道の旅が終わってしまうということである。



トリップ・ノート

Au Lion d’Or hotel
www.liondor.com

Mus.e Lalique
www.musee-lalique.com

Mus.e du Bagage
www.museedubagage.com

Hotel le Bugatti
www.hotel-le-bugatti.com

Hugel et Fils winemaker
www.hugel.com

Hotel du Chambard
www.lechambard.fr

Cit. de l’Automobile
www.citedelautomobile.com

Hotel Mus.e Gare
www.hotelmuseegare.com


モールスハイムはブガッティの故郷。そしてブガッティ一族の先祖伝来の土地でもある。ヒューゲル・エ・フィス社のセラーで自慢のワインをテイスティングする。シトロエンDSはこのアルザスがずっと前からの故郷だったように風景に溶け込んでいる

1974年シトロエンDS23 IEパラス
エンジン:2347cc、4気筒OHV、ボッシュDジェトロニック燃料噴射システム
最高出力:130bhp/5250rpm最大トルク:19.9kgm(195Nm)/2500rpm
変速機:前輪駆動 4段セミオートマチックステアリング:ラック・ピニオン パワーアシスト付き
サスペンション(前):ツインリーディングアーム、車高調整付きハイドロニューマチック・ユニット、スタビライザー
サスペンション(後):トレーリングアーム、車高調整付きハイドロニューマチック・ユニット、スタビライザー
ブレーキ(前):インボード・ディスク、サーボ付き
ブレーキ(後):ドラム、サーボ付き重量:1360kg
性能:最高速119.5mph(191km/h)0-60mph加速10.4秒








編集翻訳:高平 高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words and photography:Martyn Goddard

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