もしも「フェラーリ250GTO」を買うことになったら|最高の名車を手にするための財力と労力を解説

GTOを買いたいなら……(Illustration:Mark Sommer)

フェラーリ250GTOが売りに出ているそうだ。そのオーナーになるには、どうしたらいいのか? アンドリュー・イングリッシュが調査した。

世の中にたった39台しかないフェラーリ250GTOのうちの1台が売りに出されている。ジョン・コリンズが運営するフェラーリ専門店、タラクレストのウェブサイトを見れば、その事実がわかるはずだ。価格は、どう安く見積もっても5000万ドルは下らないだろう。しかし、コリンズは「ピカソを買うより安い」と主張する。

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ジオット・ビッザリーニらが設計した250GTOは1962年にデビュー。空力的なボディのフロントにパワフルなV123.0リッターエンジンを積んだベルリネッタは、ジャガー、アストンマーティン、シェルビーらが覇を競う世界スポーツカー選手権への挑戦を直ちに開始する。1962年から1964年までに製造された250GTOの内訳は、33台がシリーズIで3台がシリーズII、そして残る3台が330GTOである。

250SWBから派生したGTOはかつてない成功を収めた。FIA GT選手権を3年連続で制しただけでなく、耐久レースやヒルクライムなどでおびただしい数の栄冠を手に入れたのだ。これだけの成功を収めたフロント・エンジンGTカーは歴史上、GTOが最後となった。その結果、格好の投資の対象となったのである。

エンツォ・フェラーリは裕福な顧客を選んで250GTOを販売したとされるが、1960年代前半、その価格は1万8200ドル(6500ポンド。現在の価値で12万5094ポンド)だった。ところが、レースにおける競争力を失った1970年代初頭になると、その価値は1万ドル(4000ポンド、現在の価値で5万1000ポンド)まで下降。ある著名なモータースポーツ歴史家によれば、1台のGTOは当時2000ポンドで売却されたが、その"おまけ"としてディーノ196SPがついていたそうだ。

価格の高騰が始まったのは、この直後のことだった。1970年代中ごろ、ピンクフロイドのドラマーであるニック・メイソンは、8万6000ドル(4万3000ポンド、現在の価値で22万2526ポンド)を支払って、250GTOを購入したのだ。1987年、その後ヴィンテージカーの最高取引価格として長年、君臨することになるブガッティ・ロワイヤルが970万ドル(550万ポンド)で落札された。GTOのオークション価格が100万ポンドの壁を破ったのは、その数カ月前のことだ。1990年に個人売買されたGTOは1000万ポンドの値をつけたが、やがてバブル経済の崩壊とともにクラシックカー市場は暴落。このGTOは3年後にわずか200万ポンドで取引されることになった。

編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI Words:Andrew English Illustration:Mark Sommer

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